INTERVIEW05

カラダの流れに、身をゆだねて。

KENJI（ダンサー／鍼灸師）

17歳で本場のダンスシーンを体感し、日本のハウスシーンをけん引するダンサーとなったKENJIさん。現在では鍼灸師としての顔も持つKENJIさんが感じる、「身体」の奥深い世界とは。

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ニューヨークで体感した、カラダの動かし方の違い

高校時代夏休みの一か月間、NYへ。ネット情報もない時代、かなり勇気がいる行動だったと思います。その分、得られたものは大きかったのでしょうか。

当時、日本ではハウスダンスはそこまで盛り上がっていなくて、探究心ある先輩についてニューヨークへ。本場のクラブシーンを体感できたことはその後の自信につながりましたね。

高校生でニューヨークのクラブシーンで踊る……それだけですごいです。やはり圧倒されました？

そうですね、音楽との向き合い方からして全然違うと感じました。踊るということが日常的な感覚。フィジカルの面でも、カラダの動かし方が根本的に違います。意識はしていないんでしょうけど、例えば関節の可動域が広いとか。技術以前の大きな違いがありました。

帰国後、国内外のコンテストで活躍され、現在は地元名古屋でダンススタジオを開設。幅広い層の生徒に指導されています。

生徒は小中学生が多いです。クラブシーンで踊るダンスから、コンテストなどで競うものに変わってきています。“クラブ”っていっても今の子達にはよくわからないですよね。少し寂しさはありますが、ダンスに興味を持つ層が増えていることはとても喜ばしいです。最近ではフィギュアスケートの選手にもマンツーマンで指導させて頂いてます。

外から内へ、カラダの流れを知る新たな挑戦

スタジオでダンスを指導している一方、鍼灸師としての顔もお持ちです。こちらはダンサーとしてのつながりから始められたのでしょうか。

実は、まったく関係なくて…。ダンスは元々好きで始めたことで、仕事というより好きなことがカタチになったものですが、柔道整復師と鍼灸按摩マッサージ師は仕事としてなにをしたいかを考えたときにたどり着いたもの。漠然と、「経営者になりたい」という思いがあって、ダンス一辺倒だった自分に何ができるだろうと探したときに、たまたま見つけた先です。

カラダの動かし方や、メンテナンスに関連してつながりがあるのだと思っていました。実際、両立していく中でつながる部分はあるのでしょうか？

骨格や関節の可動域を知ることで新しい動きの参考にはなっているかもしれません。
また生徒さんに指導する時も役立っていますね。癖の矯正や、どうしたらスムーズにカラダを動かせるかを言語化しやすくなりました。

血流の改善で、パフォーマンスを高める

ダンスと鍼灸師、二足の草鞋だと大変ご多忙に感じられますが、どうバランスをとっているのでしょう。

日中は往診施術がメインで、夕方から夜はダンス指導。土日はダンスの審査員などありまして、休みはほぼないです。ただ、忙しいと思ったことはありません。カラダを使うことと、メンテナンスの両方に関わっているからかもしれませんが、疲れが溜まるといったことはほとんどないですね、セルフメンテもできますし。

日頃のメンテナンスで意識していることはありますか？

仕事柄、気の流れと血流は意識しています。東洋医学なので一般的には理解しづらい部分もありますが、要は血流。血流を改善するだけで疲労回復から、パフォーマンス向上にもつながります。血流を促す方法としては、施術以外にもヨガなどさまざま方法はあると思いますが、身近で取り入れやすいのは入浴ですね。シャワーだけでなく、やはり“湯に浸かる”は大切です。しっかり身体を使う人は、その分だけ入浴などのメンテナンスにも気を配ると、よりパフォーマンスが上がりますよ。

PROFILE

1976年生まれ。高校時代に渡米。本場のハウスダンスシーンを体感し、1992年にダンスチーム「PINOCCHIO」を結成、日本におけるハウスダンスを牽引するダンサーとして活躍。2009年に地元名古屋で「CLOVERダンス塾＆スタジオ」を開設。同時期に「かなで鍼灸接骨院・訪問マッサージ院」を開設。全国からダンサーだけでなく、表現者、明日トリートなどジャンルの垣根を超えた生徒、患者が集まる。
http://nanairo777.com/CLOVERNEWS/link.html

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