INTERVIEW04

アロマの香りで、心身をととのえる。

山野辺喜子（セラピスト／フレグランスコーディネーター）

セラピスト・フレグランスコーディネーターとして各地にファンがいる山野辺喜子さん。自分と向き合うセルフケアを通してアトピーを克服した経験から、能動的なマインドが、心身に好影響を与えると話します。

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困っている人を助けたい、
という思いが私の原動力

山野辺さんが「今、充実しているな」と感じる“心がミナギル瞬間”はどんな時ですか？

私はセラピストとして自然療法を身近に感じてもらうワークショップを各地で行っています。その中で、私が培ってきた知識や技術を参加者の方々とシェアできたり、私のアロマトリートメントを受けてお客様が元気になって帰る姿を見ると、「やって良かった」と、とても充実した気持ちになります。

ワークショップを始めた理由はなんだったんですか？

実は私は小さい頃からアトピーに悩んでいて、自然療法と出会ってから少しずつ体質改善に取り組み、何年もかけてセルフケアできるようになり克服できました。同じように困っている人の助けになりたいという思いで今の活動を始めました。自分の経験が誰かの役に立てたと実感できる瞬間が何より嬉しく、自分自身のやりがい、生きがいになっています。アロマづくりのワークショップを全国で開催するうちに、「あの時に作ったアロマスキンクリームを購入したい」という連絡をいただくようになって、フレグランスブランド『yes.』を立ち上げました。ただ、根っこにあるのは“人助け”、“癒しの活動”がしたいという思い。
最近は香りの調合をご依頼いただくことも増えて、フレグランスコーディネーターとしてもさまざまなお手伝いをさせてもらっています。

植物の効果を取り入れて
心と身体をセルフケア

暮らしの中にアロマやハーブをどのように取り入れていますか？

朝起きてから夜寝るまで、さまざまな場面でアロマやハーブを活用しています。朝は、アロマオイルを数滴垂らして半身浴をすることが多いですね。入浴後はボディオイルでマッサージをしたり、クリームでスキンケアをしたり。yes.にはON、OFF、REFRESHという3種類の香りがあるので、気分に合わせて部屋やカーテンにスプレーをかけて香りを楽しむことも。
また、リラクゼーションの目的だけでなく、身体の調子が悪い時もアロマやハーブは症状の緩和に役立ちます。昔は不調があるとすぐに病院に行っていたのですが、今では自然療法のおかげで市販の薬もほとんど必要ないし、風邪をひくこともなくなりました。

朝の半身浴、気持ちよさそうですね。どんな効果を実感されていますか？

半身浴は、内臓に負担をかけずに身体の内側からゆっくり温まることができて、副交感神経を優位にしてリラックスする効果もあるので、メンタルケアにも効果的なんです。仕事が忙しいと外食続きになりますし、お酒も好きなので（笑）、日頃からハーブティーを飲んだり、半身浴でデトックスするというのは欠かさずやるようにしています。

心地よい毎日を作るのは
「知る」「考える」「選ぶ」

長年悩んでいたアトピーを克服したことで、山野辺さんが実感しているセルフケアの大切さとは？

セルフケアは自ら「知って」「考えて」「選択する」ことが必要。たとえば、私のワークショップでは、スキンケアクリーム作りを行っていますが、実は作り方はとても簡単なんです。ホホバオイルと蜜蝋を湯煎にかけて、そこにアロマオイルを加えるだけ。こんなに簡単にオーガニックなアイテムを作れるのに、市販の化粧品には添加物がたくさん入っていますよね。ただ、そうした市販品を使うのが悪いことなのではなくて、なぜ添加物が入っているのか知ることや、知った上で「使う」「使わない」を選択することが大切だと思います。
今まで知らなかったことを知ることで、少なからず気づきがあるので、私が何かを教えるというよりは、参加者の方々にとって「自分と向き合う時間」になれば嬉しいですね。

山野辺さんにとって「セルフケア」は自分と向き合い、人生を豊かに過ごす秘訣なんですね。

そうですね。アトピーがひどかった時は、薬を塗って一時的に良くなっても、ステロイドで皮膚が薄くなってしまい、また掻きむしって…の繰り返し。それがつらくて「絶対治るわけない」と思っていました。でも、自分でアトピーを治そうと決めて勉強し始めて改善できた時、「自分一人でできた！」という成功体験を得られたんです。だから、すべての原点は「自力で変わりたい」と思ったこと。能動的なマインドになったことで、色々なことがポジティブに変化していきました。だから、ワークショップをきっかけに「自分も変われた」という連絡をもらえた時は本当に嬉しいし、これからも“癒しの活動”を通していい循環を多くの人と共有できたらと思っています。

PROFILE

セラピスト、フレグランスコーディネーター。fragrance yes代表。株式会社with a fragrance代表。2004年自身のアレルギー改善のためアロマセラピー食事療法・体質改善などを学び始める。また、家族の病を機に、整体・アロマトリートメント・介護などの技術も習得。身につけた知識や技術、実体験を活かし、心身を癒すセラピストとして活動を展開。2014年オリジナルブランドfragrance label yesをスタート。アロマやハーブにこだわりオリジナルフレグランスを調合するサービスや、香りの空間演出、yes独自のパーソナルケア施術など様々なアプローチで“心と身体のケア”を実践している。

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